5歳の娘のために、と思ったのが、中学1年の長男のほうが気に入っていました。
落語自体はあまり知らなくても、この「ときそば」は、ちらりと聞いたことがある、というほど有名なお話ではないでしょうか。
冬のある晩、男が、ちょっとした悪知恵をもって「そば」の勘定を支払いをごまかす場面を目撃!自分もやってやろう!と、翌晩、早速そば屋を探します。ここも”つっこみどころ”です。そんなワルい事、まねしちゃだめでしょ(笑)。
ところが、タイトルにもある「とき:時刻」が昨日とは違う。さてさて、この男はうまくごまかすことができるのでしょうか・・。
語り口調がとても楽しい!落語にあまりなじみのないもので、江戸っ子弁がとても新鮮です。また、描かれている夜の暗闇の雰囲気のせいか、なんだか、いわくありげな事が始まるのではないか、という、ワクワクはらはらな、なんともこそばゆいような感覚が起こってきます。そして、オチがやっぱり面白い!
話の展開にあわせて、男の江戸っ子な表情が少しずつ変化して行くのが、なんとも味わいが深く、オチはしってるのに、何回も読みたくなってしまいます。
5歳の娘には、語り口調は楽しかったようです(てやんでえ、みたく読んであげましたから)。長男は他の落語シリーズも読みたがってます。
日本の文化継承にも、一冊であれこれと有意義な絵本ですよ!