昨年、絵本・文学関連の博物館の子ども向け図書コーナーで見つけました。12月でしたから、クリスマス関連の絵本がディスプレイしてあったのです。その中で見たことがない表紙でしたので手に取りました。
エッツの作品で、40年以上前に出版されたものなのに、今まで存在を知らなかったのが不思議なくらい良い絵本でした。
世界各地でそれぞれの土地の宗教や民俗の影響を受けながら発展してきたクリスマスの祝祭。この本ではメキシコでの祝い方が詳細に綴られています。
同じコーナーにいて別々の本を読んでいた中学生の息子も、このクオリティ高そうな表紙に惹かれて寄ってきたので一緒に読みました。
メキシコで様々なお祝いに欠かせないピニャータはやっぱりクリスマスでも使われるのね、などと色々な発見をしました。(後から知りましたが、そもそもキリスト教布教の際にピニャータの起源があるようですね。)それから貧富の差が激しく、ちょっと古い感じがするのは、この絵本の舞台が1950年代であるからということも分かりました。
当時のメキシコの様子、独特のクリスマスのイベントが良く分かるだけでもこの本は素晴らしいのですが、主人公の少女の心の動きを丁寧に描いている点でも価値があります。主人公セシの「親友」、人形のガビナがいい仕事をしていますよ。
子どもたちが小さい頃、クリスマスプレゼントには必ずクリスマス関連の絵本が添えられていましたが、今年は久しぶりにこの本が届きそうです。