木の根元に誰かが化学薬品を捨てたために、大事にしていたどんぐりの木がどんどん弱ってゆく。環境問題は決して自分に関係のない話ではなく、自分の身の回りでいつ起きてもおかしくないということを考えさせる本です。絵もすばらしいですね。
木を助けようとしてさまざまな人たちが手を差し伸べますが、日本だったらなかなかこのようにはならないだろうなと考えさせられます。
みんなの努力もむなしく木が枯れてしまうのが明らかになったとき、アリスは自分の宝物であるどんぐりを植えればまた木が育つのではないかと思いつくのですね。そういえば子供のころは、どんぐりや貝殻やセミのぬけがらなどいろいろな宝物があったななんて思います。
植えたどんぐりから芽が出て立派な木に育つのは、子供にとっては遠い未来でしょうけど、これが大人だったらあと何年でどのぐらいの高さまで育つだろうとか考えながらできるので、「木を植えた男」のような壮大な話があるのですね。しばらくしたら子供たちには「木を植えた男」も読んでもらいたいなと思いました。