6年生の読み聞かせで読んでみました。
でも、きっと嫌いな子もいると思い、あらかじめ「怖い話が嫌いな子は、耳だけ傾けてね。聞く自信のある子は、前に集まって」と話しておきました。
心の中の漠然とした小さな不安が、だんだん大きくなっていく様子がリアルに描かれていて、子どもたちは目が釘付け!
そしてクライマックスのあのシーンでは、まんまと悲鳴があがり、してやったり、という感じでした。
このような怖い本に賛否両論あるかと思いますが、私はこの絵本を含む怪談えほんシリーズの企画監修をされた文芸評論家の東雅夫氏が本の帯に書かれたことに共感し、読み聞かせに踏み切りました。
「幼いことから怪談に親しむことによって、子どもたちは豊かな想像力を養い、想定外の事態に直面しても平静さを保てる強い心を育み、さらには命の尊さや他者を傷つけることの恐ろしさといった、人としての大切なことのイロハを自然に身につけてゆくのです。…後略」
簡潔な文章と、それにぴったりの絵で、たちまちおばあさんの住む古い家に引きずり込まれます。
読み進めるにつれ、だんだんその世界が絵本の世界なのか、自分が幼いころ経験した記憶なのかがあいまいになってくるような気がします。
ただ怖さを煽るのではなく、日本人の心の原風景をも抉り出しているようで、怖いけど、ページ一つ一つをじっくりと見たくなります。
でも、最後のページは…やっぱりじっくり見ることができません^^;