「(おお)サンショウウオ」って、名前は聞いたことがありますが、実際どんな生き物なのか、この本に出会うまで知らなかったということが改めてわかりました。
子ども向けのアニメなどで描かれているサンショウウオはもっとオタマジャクシみたいで、パッと見可愛いですが、この《オオサンショウウオ》というの物は、ウシガエルのような肌で、身体もかなり大きく、オタマジャクシというよりはワニとかイグアナを思い起こさせるような容姿をしていました。
(ハチュウ類や両生類が生理的に苦手な人にはあまりお勧めできません。)
でも、このオオサンショウウオと生活を共にし(……?(笑))
彼(今回は雄のオオサンショウウオが主人公です)の一年間ととことん付き合った写真家の福田さんの熱い想いは、作品に載せられた1枚1枚からたくさん伝わってきます。
中でも、オオサンショウウオの赤ちゃんが透明な小さな卵から生まれてきたときの瞬間を写したページが、個人的には一番印象的でした。
お父さんのがっしりとした両足のすき間からヒョッコリと顔を出すその姿は、赤の他人の私から見ても妙に愛おしいものに見えました。
本文を読んだ後は、ぜひ、写真家福田さんの後書きも読んでください。
ちなみに、この本のモデルのオオサンショウウオは「福田くん」と名付けられているらしいですよ。
お薦めは小学校高学年から中学生くらい。写真や生き物が好きな方は特にお薦め!