名台詞「しかよ おれの 兄弟よ」から物語が始まるのかと思いきや、
“シベリアの森で…”でした。
タイトルはずいぶん前から知っていましたが、
表紙絵があまりにも荘厳で、どんな小難しい物語かと思い、
今まで手にしたことがありませんでした。
最近、アイヌの物語などに興味が出たので、有名な作品だしと思い切って図書館で探してきました。
想像していた以上に素敵な絵本でした!
神沢さんのお話では「ちびっこカム…」が好きですが、
カムはまた違った北の大地での力強い生き方を見せてもらいました。
今回はコラボ作品で、絵はロシアで“ハバロフスク市名誉市民”の称号の画家「G.D.パヴリーシン」さんが描いてくれています。
これまた素晴らしく細かい、丁寧で荘厳なイラストでした。
たった一晩の出来事ですが、物語はとても長く感じます。
一言一言、1ページ1ページの描写に歴史を感じるせいかもしれません。
絵本のサイズも文章の字も、一般的な絵本作品の物より、やや大きめで作られていますので、読み聞かせなどにもお薦めしたいです。
どのページも見ごたえたっぷりで、余すところなく楽しめると思いますが、
読み聞かせに使うなら、北の方の暮らしぶりが想像しやすい小学校高学年以上のお子さんたちがいいと思います。