『こすずめのぼうけん』のエインズワースの作品、
尊敬する上條由美子先生の訳とあらば、と手に取りました。
『HOB NOB』が原題。
『こすずめのぼうけん』もそうなのですが、エインズワースは文章のみ。
それだけに、言葉が簡潔で心地よいです。
赤い機関車ホブ・ノブが、遊園地に向かう道中、動物たちを乗せてあげるストーリー。
機関車の走行音、「しゅっ、しゅっ、しゅっ!」などのリズムと、
乗車する動物が増えていく繰り返しが、呼応しています。
機関車と言えば、難関のトンネル。
ホブ・ノブは、怖がる動物たちのために、
トンネル内で火の粉を飛ばすというサービスまでしてくれますよ。
まるで花火のような光景にビックリです。
もちろん、無事遊園地に到着して、みんな大満足ですね。
ホブ・ノブの造形は難しいところだったと思いますが、
変に擬人化せず、それでも人間らしさがにじみ出ていて、好印象です。
地味ですが、子どもの心に寄り添った作品だと思います。
幼稚園児年少さんくらいからでも楽しめそうです。