日本の神話第三巻。
『あまのいわと』での騒動をみかねて、スサノオは地上へ降り立つのです。
辿り着いたのは出雲の国。
そこで、老夫婦と娘から恐ろしい「おろち」の話を聞き、
おろち退治をするのです。
この「おろち」の造形には、絵を描いた赤羽末吉さんも文献を調べ、
苦労されたようです。
それだけに、迫力のある生々しい「おろち」像となっています。
文章が無く、見開きいっぱいに描かれたページもあり、
そこはやはり絵本の絵の醍醐味です。
たっぷり絵を読んでほしいです。
おろち退治後に語られる川の色、剣の出現など、
鉄器の歴史と相まって、興味深いですね。
そのあたりは、折込の解説もぜひあわせて熟読してほしいです。
赤羽末吉さんは、羽仁進さんの文でも『やまたのおろち』を描いていますが、
エピソードの着目どころが違うので、それぞれ、味わいがあります。