ある日、おひさまがかおを出さなくなった。
いくら待ってもかすかな光さえ見えなくなり、暗やみが
住み着いてしまう。
まだ赤ちゃんの弟はむずかるし、牛はミルクも出さなくなり、暖炉の火はくすぶり、パンさえ焼けない。
こんな状況を黙ってみていられない少女ルシアはおひさまを探しに
ママに黙って出かけます。
弟とママのため、夜しかない雪の中を勇敢に出かけるルシア。
「おひさまが もどってくるまで、ルシアが ママのおひさま、
ママが ルシアのおひさまよ」
こんな言葉と共に抱きしめてくれるママだからこそ、ルシアは
出かけていったのでしょう。
一緒に出かけたネコの活躍でおひさまは戻ってきますが、
前半の黒と深く冷たい青色の世界から一転、オレンジ色のおひさまの
光が差し込んだ時は、絵本の中といえども、自分も温かくなった
ような気がしました。
この本の中ではルシアとネコの活躍でおひさまは戻ってきたけれど、
もしこの世から太陽の光がなくなったら、それは自然の摂理か人災か…
ちょっと怖くなってしまいました。