ネコの夫婦から生まれたパグ犬のフリックスは、両親や名付け親のイヌ(両親の友人)から愛情を注がれ、すくすくと育った。
ネコ町出身ながらイヌの学校に通い、大学の女子寮の火事から救った
フランスの交換留学犬ミルザと恋におち結婚。
その後、政界入りしネコ町・イヌ町の統合を推進し、とうとう両町を
合併させて、市長にまで上り詰める。
そして、2人の間にはかわいい女の子のネコの赤ちゃんが誕生し、
めでたしめでたし!
ネコ町ではネコ語を、イヌ町ではイヌ語を話し、あまり交流がなかった
ようです。でも、反目し合っていると言う訳でもなさそうで、お互い
不干渉、個人的に交流する程度に見て取れます。
名付け親のイヌ・メドールさんもトランプの遊び仲間だそうです。
そう考えると、フリックスの両親も垣根をはずし、とてもオープンな
方たちですね。
フリックスが社会的に成功するのも、この両親があってこそ
かもしれませんね。
興味深かったのはウンゲラーによる挿絵です。
町の様子がとても無国籍で、ターバンに水パイプのネコや、宇宙に初めていったライカ犬の記念碑があったり、漢字の看板に提灯のレストランも登場します。そこには、ウンゲラーのメッセージが見て取れる気がしました。
この新しい町のように、お互い尊重しあい、豊かに暮らしていきたい
ですね。