新入学生の春はもうすぐですね。
新しい環境に、親子でワクワクというよりはドキドキだったことを思い出します。
さて、恥ずかしがり屋で引っ込み思案の子ネズミのバネッサちゃんが主人公の幼年童話です。
お友だちを作れずにもじもじしています。
学校で同級生たちは、少しずつ仲間や話し相手を見つけているのだけれど、バネッサちゃんには、きっかけづくりさえ高いハードルのようです。
授業中も、答えが解っていても手を挙げ発表できず心の中で葛藤する毎日。
学校生活では、元気でハキハキ大きな声でものが言える子は先生の目に留まりやすいけれど、バネッサちゃんのような子は先生に気付いてもらうか、バネッサちゃんのように一大決心のうえアクションを起こさない限り、見落とされてしまうことがありますね。
バネッサちゃんには、素敵なおかあさんがいました。
良き理解者で、バネッサちゃんの努力の様子を優しく見守り、さりげないアドバイスをしてくれています。
「うちの子はどうして、こうなんでしょう」という焦燥感や悲観的な様子がなく、バネッサちゃんを信じて待つことのできる素晴らしいおかあさんでした。
授業の中で自信を持ったバネッサちゃんが変わっていく姿に、今更ながら学校という場の重要さを痛感します。
そして、挨拶が全ての始まりであることも小さい読者さんに良く伝わる作品だと思います。