いつも活動している小学校の読み聞かせの仲間に、この作品がすごく好きな人がいて、何年かに一度は高学年の子ども達に読んでいたので、ずいぶん前から知っていましたが、感想は書いたことがなかったみたいです。
先日今年の課題図書である「ハーレムの闘う本屋 ルイス・ミショーの生涯」を読んで、当時のアメリカのことがもっと突っ込んで知りたくなったので、この本を読み直しました。
余談ですが、ルイス・ミショーは、同世代の黒人指導者としては“マルコムX”派だったらしいですが、このキング牧師とも面識はあり、ルイス・ミショーのお兄さんである宣教師「ライトフット」は、キング牧師と親交が深かったようです。
この作品は2002年全米図書館協会の「コレッタ・スコット・キング・オナー賞、
2001年にニューヨークタイムズブックレヴュー優秀絵本選定、
2002年にコールでコット・オナー賞を受賞しています。(本の後ろに書いてあります)
伝記絵本としては、とてもメジャーな作品です。
絵本の造り(構成・見せ方の演出)はしっかりしていて、読みやすいです。
巻末にはキング牧師(マーティン・ルーサー・キング)の年表(何年に生まれて、何年に何が起きたかわかる一覧)が書いてあります。
この年表を見て最初に感じたことは、リンカーンが奴隷解放宣言をしたのが1962年、南北戦争が1961年〜1965年に起き、この後合衆国憲法で、奴隷制度禁止などが承認されましたが、
それから約100年もたっているのに、黒人の自由を求める運動(公民権運動)の指導者であったキング牧師は暗殺されてしまったこと!
大きな国のなかで差別をなくしたり、人の考えたかを変えたりするのは途方もない長い時間が必要なのだと改めて感じました。
絵はとてもはっきりしていて遠目が利きますし、必要以上に文章も長くないので、大変読みやすいです。高学年から中高生のお子さんたちの読み聞かせにお薦めです。