タイトルの“ヒコーキ”というカタカナに惹かれて、手に取りました。
今江先生と長谷川先生の作品という事で、さらに興味を抱きました。
ヒコーキが怖いミチに、ひいじいちゃんの話をしてあげようとする飛行機で海外旅行をちょくちょくしているおばあちゃん。
ひいじいちゃんは、初めてヒコーキに乗ったちょんまげ頭のお侍。
アメリカへ渡った時に、ほかにいた肝の太い・気の強い・刀の達人等の侍の中、いざヒコーキに乗るかといわれて、イエスと答えたのは、ひじいちゃんだけだった。
最初は、このひいじちゃんの珍しい体験話に耳をそばだてていた人も多かったけれど、・・・。
だれも耳を貸さなくなっても、父親を誇らしく思う娘のおばあちゃんだけは、なんどもこの時の話をせがみました。
すると、ひいじいちゃんの話は、・・・。
初めての経験に立ちむかう胆力・勇気について考えさせられました。
このおばあちゃんの孫ミチにもひいじいちゃんにも配られた「傷つけまい」とする、優しさがとっても素敵です。
コミカルな内容を描かれる長谷川先生の絵ですが、この作品はまた一味違う趣がありました。
お侍が大空を飛行しているページが、とっても良かった。
終盤ミチが跳び箱を綺麗に飛んでいる絵も爽やかです。
何かのきかっけで、ひょいと飛び越えることができたなら、次にたちはだかるものにはひとつたくましくなって向き合えることでしょう。
ミチはきっと飛びますよ。