トルストイの「3びきのくま」しか読んだことがなかったので、
いろんな「3びきのくま」の絵本を読んでみることにしました。
こちらの絵本は、トルストイ原作のものを作者が翻案したようで、
大まかなストーリーは同じなのですが、微妙に違う部分もあり、
楽みながら読ませてもらいました。
まず気付いたのは、3匹のくまの紹介の仕方。
今まで読んだ「3びきのくま」では、おとうさんぐまから順に
紹介していくパターンでしたが、本書では、一番小さいこぐまから
紹介していきます。なるほど、文字も小さいフォントからだんだん
大きなフォントへと変化していて、おとうさんぐまの大きさがかなり
強調されている感じがして、迫力があります。
くまの絵がかなりリアルなのも良いです。
そして、他の絵本と全く違うのは、女の子ですね。
キャンディという女の子の名前が紹介されたのも初めてでしたが、
その登場の仕方が、道に迷った風ではなく、わざわざ現れたという
感じの設定が面白いですね。しかも、いかにもイタズラしそうな感じ。
くまの家の中で女の子がつい、おかゆを食べたり、イスを壊したり、
ベッドで眠ってしまったのは、女の子がイタズラ好きだからという
理由が伺えて、納得してしまいました。
くまが家の中の異変に気付き、怒り出すシーンでは、リアルなくまが
家の中をのしのし動き回っているように見え、迫力があります。
その反面、くまと女の子が顔を合わせるシーンでは、きょとんとした
くまの表情が逆にかわいらしく見えて、そのギャップが楽しかったです。
窓から逃げ出すキャンディーを、きょとんとした様子で見ている
3びきのくま、ちょっと笑えます。
前歯が無いキャンディーの笑顔が印象的でした(笑)
いろんな「3びきのくま」のお話があるんだな〜と楽しませてもらいました。