「おかあさんったら あかのこと、なんにも わかってないんだよ。」
こんなドキッとする言葉で、「わたし」のおはなしが始まります。
赤い靴下、赤い上着・・・彼女が語る赤が好きな理由、どれもふるっているんです。
彼女でなければ気付かなかったかもしれない、赤の魅力。
「だけど あかいピンどめをすると、かみのけがわらいだすんだよ」
みずみずしい感性が羨ましいなぁ。
お母さんに反抗したいだけ、じゃないんですよね。
でも本当は、お母さんの気持ちの方が分かるんです。
上の息子も、赤い服にこだわった時期がありましたから。
どこまで合わせればいいのか、息子のいいなりになったらわがままな子になるんじゃないかと、
当時は結構悩んだものです。
もっとゆっくり話をきけば良かったのかな、と今は思います。
「どうして赤なの?」と理由を聞いていたけれど、
「赤が好きなんだね。」って話していたら
この女の子みたいに言葉にできなくても、何か分かち合えることがあったかもしれないし、
結局、赤以外を選択することになっても、気持ちの折り合いがつきやすかったかもしれない、なんて。
シンプルな文章と絵に赤が映えて、とても印象に残る作品でした。
譲れない、大好きなものがある幼児さん〜園児さん位のお子さん、
そしてお母さんにおすすめです。