お話の描写がとっても丁寧で優しくて、
是非子供たちに読んであげたいと思いました。
一番印象に残ったのが、三つのみかんを全部むいて
ひとふさずつ口に入れてあげたシーンです。
私が以前読んだわらしべちょうじゃでは細かな描写はなく、
みかんをあげたら立派な反物をもらった、という表現だけだったので
この表現にはとても温かいものを感じました。
子供たちには、こういう思いやりのこもったお話を積極的に読んであげたいです。
西村さんの絵が、主人公の男の純真で欲深くない優しい人柄を表していて、すごくいいな〜と思いました。
今まで私が持っていた『わらしべちょうじゃ』のイメージは淡々としている感じでしたが、
このお話のおかげで、とても温かくて優しいものに変わりました。
『しおふきうす』は、初めて知りましたが、
最後の海がしおからい理由につながるとは思っていなかったので
意外な展開!でおもしろかったです。
欲深で自分のことしか考えない人は痛い目にあいますよ〜って、
お話を通して子供たちの胸にすーっと入っていくと思います。
小人が出てくるところも、子供たちのイマジネーションが膨らみそうで個人的に好きな要素でした。
どちらのお話も、自分のことだけじゃなく、
相手の気持ちを大事に正直に生きていると
結果的にいいことあるんだよ、と優しく語り掛けてくれる一冊でした。