ゾウさんは 死期が近づき
もうすぐ旅立たなければならないのがわかっているのに
とても落ち着いています。
それにひきかえ ゾウさんと仲良しの幼いネズミは
ゾウさんを見送る心の準備が出来ていないようでした。
月日はめぐり
日に日に弱っていくゾウさんを見ているうちに
ネズミも幼くはなくなり
そして、お別れしなければ…と思えるようになったのですね。
自分も幼かった頃は 死ぬことがとても怖かったのを覚えています。
(親の死なんて もう怖くて怖くて考えるのも嫌だったし。)
今は 怖いというよりも 子ども達を遺していくのが辛い…
そんな風に気持ちが変わった感じです。
これで子ども達が 私の元から巣立ったりしたら
その辛さもなくなっていくのかもしれないな…。
この絵本を読んで そんなことを考えました。
親の死についても 考えたくないっていうのは変わらないけど
いつか必ずやってくる、避けられないものというふうに
確実に変化しています。
「死」の概念とは
人が成長するにつれて変わっていくもの。
受け入れられるようになっていくもの。
そういうものなのかもしれません。
このゾウさんは人生を十分生き抜いたのでしょう。
ネズミも ゾウさんとの時間を十分に過ごしたのでしょう。
送る側も 送られる側も
こんなゆったりとした気持ちで死を迎えられるのは理想ですね。