私が初めて知ったお話はグリム童話の「ルンペルシュティルツヘン」の方でした。
まだ会社勤めをしていたころ、大好きだったジョナサン・キャロルという作家の作品にこの話が出てきたんです。
それから、この「ルンペルシュティルツヘン」が大好きな話だったのですが、最近になってイギリスではほぼ同じ内容の「トム・チィット・トッド」という話があるのを知りました。
更に絵本があることに、ほんのちょっと前に気づいて探してきました。
岩倉さんの文章は、原作のイメージを壊さない素敵なお話に仕上がっていました。ただ、トムのことを妖精ではなくて「小鬼」と捉えているのが、ちょっと気になりました。
まあ、向こうのお話では小鬼も妖精も似たようなジャンルの生き物ですが…。
そしてイラストを担当された飯野和好さんの絵!
飯野さんもこのお話が好きなのかしら?
好きだったらいいな〜。
きっと好きだろうな〜と、思いながら読みました。
パイを五つも食べちゃった主人公の娘も、王様も、すごくいい感じで書かれていて、楽しかったです。
このお話は、ヨーロッパ各地に伝わる昔話なので、内容も理解しやすく楽しい話になっています。
読み語りに使うなら、小学校低学年から中学生くらいまでイケるともいます。