海のなかのくらしにも、泣いたり笑ったり、いろんなドラマがある
そんな枕に、「海デビュー」という気取ったことばは似合わない。
クラゲのくらのすけのそれが、いきなり大冒険となるはなしだ。
それも、くらのすけとおっかさんの絆がテーマ。
父親を、どうしてやろうかと、考えた私である。
落語は概して、はなしが長い。
このえほんはだから、場面の展開が早く作られている。
海の中、黒い雲、渦巻く波、あっという間に
浜辺に打ち上げられるクラボウ。
場面の変化が早いからこそ、ハラハラ、ドキドキする。
浜辺の溜まり水の中、たった一皮のみかんの皮とクラボウ。
遠足バスの窓から、マナー知らずにも放り投げられた、その皮。
みかんの皮は、母の何と似ていたのかなぁ…?
クラボウはひょっとして臨死体験、したのかなぁ?
このえほんのなかで一番、想像をめぐらせた場面でした。
そのみかんの皮が、先の母子の絆の強さを示す噺のオチになる。
めでたしめでたし、パチパチパチ。
そしてもうひとつ、えほんのオチが待ってたよ、裏表紙に。
このえほんの真の噺家は・・・。
父親(私)には、かないっこないなぁ…
クラゲだけに、水に母はつきものですから。
お後がよろしいようで。
感謝