イギリス民話より。
母子家庭で貧困のために子どもを育てきれなくなった母親ブタが、思い切って子どもたちを旅に出す。長男はわらで家を建て、次男は木の枝で家を建て、三男はレンガで家を建てるが…。
リアルな話である。私が子どものころに聞いた話とだいぶ違っていた。詳しくは本書を読んで、確かめて欲しい。
まず絵が素晴らしい。非常にリアルな描写で、生き生きしている。登場人物はもちろん、衣装や小物、風景や建物などがしっかりしていて、現実味がある。
お話も意外な展開になる。三男とおおかみとの知恵比べはスリルがあった。長男と次男は残念だったが、三男は運もよく、知恵もあり、人生を切り開いていく力もあった。
三男がレンガの家を建てることにしたのは、実は偶然だった。私の知っている話では、自分で考え付いたことだという設定になっていたが、この本では三人とも家の材料の決め手は偶然だった。
運が人生をおおきく左右するすごい事例だ。ただ、運がよくてもその後に次々と起きる困難を切り抜けていくのは、知恵だった。
印象深い話。