1954年の作品で、日本では東京オリンピックの1964年に初版が刊行されています。
173万部を超える発行数を誇り、今も売れているという古典的名作の一冊です。
お話は、おふろ嫌いな黒いぶちのある白い犬のハリーが、ブラシを銜えて逃げ出すシーンから始まります。
ハリーは、ブラシを庭に埋めて遊びまわったので汚れて、白いぶちのある黒い犬になってしまいます。
そして、家にもどったら誰もハリーだとわかってくれないので、ハリーは一案を講じるのです。
何といっても、この絵本の小気味良いテンポ感は最高だと思います。
描かれた時代が成長期のため、道路工事現場とか蒸気機関車とか石炭車とかが登場し、時代背景がどろんこになる場所がふんだんにあるという点はあるものの、気にしなければ全く違和感ありません。
淡い色遣いなので、今の鮮やかな絵本と比すると地味なのですが、逆にそれがこの絵本の魅力なのかも知れません。
話がシンプルな分、2歳くらいの早めのころから楽しめる絵本だと思います。
図書推薦がとても多いのが頷ける名作です。