今までにも他の絵で何度も読んだ物語。「悲しいお話は、嫌い」と言う娘に、我が家にも何枚か飾ってあるいわさきちひろの絵を指差しながら、「きれいな絵を楽しんでごらん」と言って読み始めました。
曽野綾子の文も美しく、最後に泡となって消えてゆく場面でも、「かなしみではなく、ひとを あいした よろこびに つつまれながら、たかい たかい そらへ のぼっていきました。」と、結ばれています。
それでも、「やっぱり悲しいから、いやだ。他のプリンセスのお話は好きだけど、人魚姫は嫌い。」と、目を伏せ、今にも泣き出しそうな娘。
戦争のお話なども、幼い子には無理して読ませることはないと聞きますが、今はまだそういう時期なのかもしれないな、と思い、子どもの感じるままを大切にしてあげようと思いました。
まだまだ楽しいことばかりの毎日の中に身を置いて、しあわせな子ども時代を満喫してしてほしいと願っています。
ディズニーの「リトルマーメイド」は、ハッピーエンドになっていますが、10年後、20年後に、心に残る作品として、原作により忠実で、芸術的にも優れた、こちらの絵本を選びました。