「このはこは いやなものを なんでもすいこんでくれる まほうのはこです」
この絵本に出会って、ドキドキしてしまいました。
いやなこと、いやなもの、きらいなひと。
自分がいやだと思っただけで、その箱はそれを吸い込んでくれるのです。
うるさい弟、学校の友だち、先生、すぐ怒るお母さんまで・・・
うちの子たちがこの箱を見つけたら、何を吸い込むんだろう?
私も吸い込まれそうで、ちょっとこわかった・・・。
箱に色がついているだけで、すべて黒の線描きの絵本。
その絵が「いやなこと」「いやなきもち」を良く表していると思います。
ひとつ、ちょっとだけ残念なのは、最後が箱の中で終わっていて、元の世界に戻ったのかどうかが明解ではないこと。
お母さんや、みんなに会うことができて、安心はしました。
最後のページで、箱に吸い込まれたみんなが列を作っているので、戻ったことはなんとなくわかりますが、小さな子どもには、理解できないかも。
私個人はこのタイプの絵本は好きです。読んであげるとしたら、簡単なブラックジョークがわかるようになった高学年から、大人向けの絵本なのかな、と感じました。