健康には笑いがよいと言われ、落語がじわじわと注目を浴びていますが、絵本の世界にも落語があることに感激しました。古典落語の絵本もありますが、これは、桂三枝さんの創作落語絵本シリーズの第一弾です。大阪の道頓堀川を舞台にカメの親子のやりとりでお話が進んでいきます。大阪弁で書かれているので、関西人ではない私は読むのに不安もありましたが、読んでみると案外はまってしまうものですよ。テンポ良く読みながら、ぼけたり、つっこんだり、落語を読むことがこんなにおもしろいとは思いませんでした。聞いている人を笑わせることもうれしいけれど、読むだけで、快感です。それに、何と言っても最後に落ちがあるじゃないですか。どんな落ちになるのかと思いきや、何ともスケールのでかいメッセージが隠されていて、さすがは桂三枝さんだなあって感動しました。落語のおもしろさを理解できる子供にはぜひ読んであげたいです。小学校高学年から中学生がいいかなと思います。読むにはかなり練習しなくちゃいけませんけどね。