子供の頃、私が読んだことのある『あかずきん』はすっごく安っぽい絵のものでした。それに比べてこれは、丁寧な絵で、かなり私の中のイメージを覆しました。
一方で日本語訳の文章が丁寧すぎて、小さな子供が理解しやすいとは言えないかもしれません。はじめの場面ではおかあさんが「おばあさん、おからだのぐあいをそこねて、よわってしまわれたでしょう」言っていたり(姑なんでしょうか)、最後にあかずきんが、「おかあさんが、いけませんよって、おっしゃっているのだもの」と言っていたり、あまりしっくりこない尊敬語も使われています。
また、どのページでもあかずきんが小さく全身が描かれていて、表情はよくわかりません。
そのような意味で子供受けする絵本ではないかと思いましたが、大人がグリム童話を楽しむには良い絵本だと思います。