ひとりぼっちでお留守番をするマリーレンちゃんへ、ゆきのこたちが声をかけます。
「でておいで ゆきの女王のくにへいこうよ」
ゆきの女王のくには、きらきら光る氷のお城、門は砂糖のとんがりぼうし、部屋の周りは白い壁。それは素敵なところでした。
おひめさまと夢中で遊ぶマリーレンちゃんでしたが──。
精錬された詩的な文章に、上品で美しい色彩の挿絵。
昨今工夫の凝らされた絵本が多いなか、なんのことはないストーリーですが、昔ながらの素朴で上質なメルヘンという気がします。ほっと一息つけるような。
なんと1905年版をもとに製本されたものだそう。
私が子供の頃は、こういう(良い意味の)古典絵本にもたくさん親しんだなぁ。
おしゃれな喫茶店にさりげなく置いてあるのも素敵ですね。