大好きな「こじまのもり」のシリーズの新しい絵本です。今回の主役ははりねずみ。
長い冬の眠りの前に、はりねずみは「はるになったらしたいこと」を決めていました。そして目覚めた春の朝、はりねずみは今すぐにやってみようと外へ飛び出します。ところが、あまり長く眠り過ぎて、何をするつもりだったのかを思い出すことができません。草の上を転がってみたり、てんとうむしを探してみたり、‥でもどれもしっくりきません。
そんなとき、冬の間ずっと会えなかった森の友達が訪ねてきてくれます。みんなで歩く野原、みんなで食べるパンやクッキー。そして、はりねずみは思い出します。「はるになったらしたいこと」を。
このシリーズどの本も絵がとてもいいのですが、今回も緑あふれる春の風景が、とてもよく描かれています。特に、はりねずみがクローバーの上をころころと転がっている様子はとても可愛くてほほえましいですよ。
お話も、「はるになったらしたいこと」を推理する楽しみもあり、またその答えがとってもいいので、読んだあとすごく幸せな気持ちになります。
ところで表紙の題名の下に「spring」と書かれているのを見つけました。「きんいろのてがみ」「ゆきのひのおみやげ」にもそれぞれ「autum」「winter」と書かれていました。ということは次は「summer」ですね。こじまのもりの夏のおはなし、楽しみに待ちたいと思います。