ブータンとは、ベンさんがもらったこぶたの名前。ブータンがどんどん大きくなっていくようすと、まわりの人のブータンに対する注目が増していくようすの、比例しているところが、興味をそそられます。
巨大なぶたになったブータンに目をつけた市長や役人たち。ブータンを産業発展のために博覧会に出せと言ったり、しまいには、お祝いにぶたのまるやきのごちそうにしようとまで言い出します。お金でものごとを解決できると思っているきたない人間の心をみごとに表現していて、読むこどもたちには、こういった悪い人間がいること・こんな人間になっちゃいけないことを明示しているのではないでしょうか。
最後は、ベンさんの強い愛情が勝って、ベンさんとブータン、子どもたちが仲良く幸せにくらすシーンで終わります。
ほっと胸をなでおろせるエンディングでよかったです。