原題は、「Two Bad Ants」
1989年、ほるぷ出版より「くいしんぼうのあり」(木島始・訳)として刊行したものの、本書は2004年に村上春樹によって新訳されたもの。
題名だけとっても、訳者によって、こんなにも違うという好例だと思います。
お話は、探しアリがきらめくクリスタルを発見して女王様に持ち帰ってきたシーンから始まります。
アリ達みんなは、きらめくクルスタルを求め危険な旅をすることになるのです。
ところが、2匹のアリだけは、クリスタルを発見しても巣に持ち帰ろうとしないのです。
いけない2匹は、このクルスタルをずっと食べていようと、直ぐには戻らなかったからです。
それからが、本当の2匹の大冒険の始まりです。
小学校の1年の次男が、この2匹ってはまってばかりと偉く感心するぐらい、いろいろな窮地に追い込まれます。
アリにとっては、人間社会って危険そのもの。
アリ目線で人間の生活を垣間見ると、結構楽しめました。
いつものオールズバーグの絵とは、かなり趣異なる手法で描かれていますが、それがかえってアリとは違う社会を象徴しているかのようで、物語にはマッチしているように感じました。
冒険が好きな子供には是非読んで欲しい一冊です。