作者のユリ・シュルヴィッツ は、1935年ポーランド ワルシャワ生まれ。1959年アメリカに渡り創作活動を始めます。
この作品は、1980年のコルデコット賞オナー賞受賞作品。
お話は、主人公のアイザックが夢のお告げに従って、都の宮殿の橋の下に向かうシーンから始まります。
そこで、出会った衛兵から、夢の話を聞かされるのですが、それが良く出来たサプライズで、一気に結末に向かいます。
イギリスの昔話を題材にしたということなのですが、ユル・シュルヴィッツの重厚な画風が、中世ヨーロッパの風景にとても合っていて、ストーリーに引きずり込まれることでしょう。
でも、何と言ってもこの作品の見所は、
「ちかくにあるものをみつけるために、
とおくまで たびを しなければならないこともある」
とアイザックが自分の家の壁に刻んだシーン。
この作品の根底にあるものですが、考え深い言葉で、どんな世代の人にとっても気づきがある言葉だと思います。
小学生の低学年くらいから自分で読ませるのにも適した作品だと思います。