オールズバーグの作品の中で、私の一番好きな作品です。
そして環境破壊、地球温暖化が深刻な問題となっている現在、とても考えさせられる作品でもあります。
ある夜、テレビで見たハイテクの未来に憧れたウォルターは、ベッドと共に夢の中でさまざまな未来を旅します。そこで目にした光景は、彼が憧れた未来とはかけ離れたものでした。
ゴミの山、スモッグを吐き続ける煙突…
まるで私たちが暮らしている今の世界を見ているようでドキリとしました。
そんな素晴らしいとは言いがたい未来を、驚きや憤りではなく、幻想的な絵とやさしい文章で静かに語っています。読者に「どう思いますか?」と問いかけるような構成のみごとさに、オールズバーグのすごさを感じました。
利便性のみを追求した人類の行き着く先は?
子供たちにどんな未来を残すの?
オールズバーグの問いかけにとても考えさせられ、誰もが憧れる未来でありますよう願わずにはいられませんでした。