いじめのニュースを見るたびに、チクリと胸が痛みます。
死ぬほど我慢することなんてないんじゃないの?
両親に打ち明けたら良かったのに…
このお話に出てくる泣けないさぼてんにも同じことを思いました。
嫌なことをされてもやり返さずに我慢してしまうさぼてんちゃん。
誰よりも優しい、人の気持ちがわかるいい子なのに、楽しく幸せに生きることができないなんてちょっと寂しいです。
トゲが増えていっても最後まで透明感のあるキレイなさぼてんちゃんの絵に、彼女の心の美しさを感じました。
さぼてんちゃんのような優し過ぎる子は、生まれ持った性分なのかも知れません。
先生や親が叱咤激励してやり返すように言ってもやり返さない子って、幼稚園時代にもいたような気がします。
我が子はまだ9ヶ月なのでどんな性格になるのか分かりませんが、泣かずにただ耐え忍ぶ姿を想像すると切ない気持ちになりました。
空から見守る「ぼく」の視点が唯一の救いです。
いつでもさぼてんちゃんの側にいて、痛みを分かち合ってくれる存在です。
さぼてんちゃんに寄り添ってくれる人がいることに、少しだけ嬉しくなりました。
ただやっぱり俯瞰的な視点では無くて、実体として一緒に寄り添ってくれたらもっとハッピーなラストなのになぁと思いました。
さぼてんちゃんの親友、タンブル・ウィードちゃん登場!(西部劇でコロコロ転がる草の塊です)二人でコロコロしたら、あれ?トゲが消えたよ、みたいなラストだったら小さい子供でも楽しめたかも知れません。
今回は大人や上級生向きだったので、優しく心に染みるラストでした。
現在進行形で心にトゲを抱えている、優しすぎるいい子達に読んで欲しいと思います。
寄り添う人は必ずいるよ、と伝わればいいですね。