大型絵本の『西遊記』もこれが最後の巻です。
今回は、牛魔王、羅刹女のお話です。
果たして、孫悟空は無事に芭蕉扇を手に入れることができるのかどうか、この二人と孫悟空のやり取りが楽しめます。
お話の面白さもさることながら、絵が物凄くきれいなので、炎がメラメラしているところなど、大迫力の中にも、うっとりしてしまいます。
牛魔王は、ちょっと可愛らしい感じで、イメージが違っていました。もう少し迫力のある獰猛な獣風だと良かったのですが。
この『西遊記』は全三巻ですので、なんとか完結に持っていくということで、最後に西天にたどり着いたエピソードも載っています。
駆け足で進むので、三蔵法師、猪八戒、沙悟浄の活躍がまったくありません。
簡潔にまとめるためには、孫悟空だけに焦点を絞った方が話が明解なので、このやり方で正解なのですが、心情的には、せっかく魅力的な登場人物なので、もう少し出てくると嬉しかったです。
作者には、この三巻だけでも大変な労力だったと思うのですが、読者としては、もっといろいろなエピソードを入れて、ずっと長く続けて欲しかったというのが本当のところです。
これで終わってしまうのが惜しい、とても素晴らしい絵本でした。