すーくんは、お父さんといっしょに公園に行きました。
公園に着くと、すーくんは言いました。
「お父さん、木になって」
お父さんは、木になりました。
木になったお父さんは、何も言いません。
すーくんが木に登れない時も他の時も何も言いません。
木はなんにも言わないからです。
助けてもらえないすーくんは、自分で木に登り自分で木から下ります。
木にいる間は、虫が出て来たり小鳥が飛んで来たり、犬が来たり女の子が来たり。
その間、木になったお父さんは何も言いません。
木はなんにも言わないからです。
木に登ってから下りるまでの出来事は、まるで人生のようです。
生きている間に起こるいろんな出来事は、全て自分で乗り越えなければいけないよ。
親は、なんにも言わずに見ていることしかできないよ。
この絵本を読んで、そう言われているような気持ちになりました。