画家さんの本気は、こどもには通じます。初山さんが描かれたこの絵の美しさは、理屈抜きでこどもらに伝わります。
お話は、天女のはごろもを隠して嫁取りをした男と、それがきっかけで出来た家族の愛の物語。天に連れ戻された妻を求め、男はこどもらと飼っていた牛に導かれて空へ上がります。そこに立ちはだかる天の川。絶望に陥る父親をこどもらが励まして、天の川から水をくみ出すのです。
私はこの本を泣かないで読んだことがありません。
天女と男の愛、お母さんを求め父を励ますこどもらの愛、その子らを思う天女と男の親の愛、天女の身を思うあまり娘を悲しませる王母の愛。この本は、七夕のいわれだけでなく、家族の愛を知る本でもあります。