【内容】
仏教の世界観(世界の構成)、現代にお盆やお葬式の様子、死んだあとのスケジュール(地獄編:死出の山ツアー、初七日、三途の川、裁判、生まれ変わり先の決定、追加裁判:オプション)、冥土にまつわるイイ話、冥土系観光地案内(この世で見られるもの)、冥土系アート紹介(重要文化財)などなど…
もりだくさんの、懇切丁寧なあの世解説。
全てが絵で見てわかるように、工夫されており、一度死んで閻魔様に裁判される体験が、詳しく空想できるすてきな旅行案内・あの世版。
監修:松尾紘一 絵:山崎猛 企画編集:こどもくらぶ
【感想】
実に見やすい。漫画やすごろくのように、どんどん次の展開を追っていくと、あの世の仕組みがよくわかる。現代人に親しみやすいように、パソコンの画面に近くする(青い文字のところがあり、ついクリックしたくなる。WEBサイトみたい)などの工夫が心憎い。
絵も少年漫画のような、親しみやすい、ユーモアがある雰囲気で、冒険もののゲームでもする感覚であの世に行ってしまいそうな勢い。子どもに配慮している部分はあるが、しっかり亡者が地獄で苦しんでいる様子が描かれているので、地獄の恐ろしさの最低ラインは伝わっている。恐怖表現のさじ加減が、絶妙。
あの世は、子孫が追善供養などをすると、先祖の待遇が良くなるという。
追加の裁判が受けられたり、そこそこいい思いができたりする様子だが、このご時世、少子高齢化、あの世&宗教離れ、新しい価値観の普及、墓仕舞いの盛り上がり等の影響があり、あの世の運営の仕方もゆっくりと変わって行くのではないか? 子どもや親類のいない私としては、供養を受けるあてがまるでないので、覚悟して地獄のフルコースをたっぷり堪能してこようと思う。地獄ライフを楽しくする工夫を今から考えておかねば…