七夕の由来のお話はたくさんあり、それぞれがいろいろなエピソードを持っているのが
興味深いですね。
この作品は、稲田和子さん再話の『天人女房』と原型は同じですが、
細部が異なっています。
山奥の澄んだ水をたたえた池を見つけた天女は水浴びをします。
ところが、木にかけておいた虹色の羽衣を、若い木こりが隠してしまいます。
そして、何食わぬ様子で、天に帰られない天女を家に招き、やがては夫婦になるのです。
二人の子にも恵まれた頃、屋根裏で羽衣を見つけた天女は二人の子と一緒に天に上るのです。
後を追いかける木こりが、ジャックと豆の木のように、夕顔のつるを上る様はすごいですね。
天の国で瓜を割るシーンは、のどが渇いてゆえの行動。
初夏ならではの光景です。
どの伝承もなかなか説得力があります。
でも、大切にしたい、日本のお話だと思います。