うんと寒い冬の日にたぬきが家に帰ると、こぐまからのプレゼントが届いていました。
急いで開けてみると、緑色のふわふわしたものが出てきました。
それは、マフラーでした。
でも、たぬきはマフラーを知りません。
だから、
こうかな?
こうかな?
と色々と試してみて、お腹に巻くことにしました。
そのまま出かけてみると、木の上の小鳥が、違う使い方をしました。
マフラーを雪の上に置いて、
「みどりの のはらよ。 こぐまが はるのかけらを くれたのよ」
と言って歌うのです。
目の前の品物が何か分からないと、とまどいますね。
でもマフラーだとは分からなくても、体を温めてくれるものだということは、分かるのですね。
お話はマフラーだと分からないまま進んでいきますが、マフラーに触れたみんなは、ぽかぽかと幸せそうです。
読んでいるうちにこちらまで温かくなってくるような、春のような絵本です。