今や「食育」という言葉が頻繁に聞かれるように「食べる」ことによる「教育」が重要視されています。「食べる」ということは人間が生きていく上で必須の本能ですが、少子化時代の今となっては、「食事」ということに昔ほどの意味がなくなってしまっているように思います。
人間は食べなくては生きていけません。でも、同じ「食べる」にしても楽しく食べるのと、嫌々ながら食べるのでは雲泥の差がありますよね。
このくめむらたかこさんの「にっこりまんぷく」という作品は、そんな「食べる」ことの「楽しさ」を教えてくれる作品だと思います。
クレヨンタッチのやわらかな絵が、お話の内容にもぴったりとマッチして、ちょっとふざけながらも、楽しく食事をする赤ちゃんのちーちゃんからページをめくるごとに大きくなっていき、夕食を食べるよっちゃんまでとってもユーモラスに描かれています。
「お行儀」ももちろん大切ですが、それよりも何よりも「楽しく食べること」が、体の栄養にもなるのではないでしょうか?最後に登場する「はらいっぺー」くんのオチも楽しいですね。小さなお子さまと一緒に楽しく読める作品だと思います。