イチンノロブ・ガンバートル(文)×バーサンスレン・ボロルマー(絵)のモンゴルの作家のコラボ作品。邦訳はモンゴルの児童文学を学んでいる津田紀子さんです。
このお二人が描くモンゴルのとある家族の風景はどれもとっても素敵です。
今回のおはなしはモンゴルの草原に暮らす遊牧民の一家を描いたものでした。
季節によって、放牧している家畜とともに大移動をする遊牧民たち。
大人はついストーリーばかり目が行ってしまいがちですが、
1ページ1ページにさりげなく描かれている彼らの日常の様子と、まわりの大自然の風景をじっくり堪能してほしいです。
後、ラクダの表情にも注目!ほとんどのラクダたちは従順にまえを向いて歩いていますが、1匹だけほぼいつもマイペースな奴がいるのに気付いた人はいますか?
他にも草原にこっそり隠れている自然界の生き物たちとか、こだわりを持って丁寧に描かれている民族衣装とか、いろいろ見応えどころが多い作品です。
例えば「スーホの白い馬」とか授業でやる頃の子どもたちに、違うモンゴルの姿を見せてあげるために、この絵本をブックトークしたり、読み聞かせしたりしてもいいんじゃないかな?と、思いました。