すぐに、えんこしてしまうから「えんこくん」なんですね。
はやのさんちのえんこくんは、スーパーまでのたったの9分も
走らないうちにえんこしてしまいます。
交差点の真中でもえんこしてしまい、周りの車は
「ぱぱぱぱぱー。」「びびびびびー。」「ぷぷぷぷぷー。」
怒った車の大合唱に、息子は大笑いしていました。
でも、これがきっかけとなり、えんこくんは買い替えられてしまいます。
すいすい乗り心地の良い新車のえーすくん。でも・・・。
はやおはどうしても えんこくんのことが忘れられません。
えんこはするけど、思い出がいっぱい詰まっていたんだよね。
本の後半、はやおは 別の車のように生まれ変わったえんこくんに出会います。
えんこくんの新しい持ち主は、不思議なおじいさん。
今度こそしっかりえんこくんとさようならができた、はやお。
えんこくんの新しい人生を知ったことで、ほっとしたのかな。
それにしても本の後半、なんだか違和感が残ります。
生まれ変わったえんこくんだとはいえ、知らないおじいさんの車に
抵抗無く乗り込んでしまう、はやお。
そして、なぜかはやおのことを前の持ち主の子だと知っているおじいさん。
「えんこくん」という名前まで知っている。不思議、不思議、不思議すぎる。
よくよく考えてみたら、中古車売り場の片隅で、しかもタイヤが無いのに
買い手がついたこと自体、不思議です。
もしかしたら、このおじいさんは、えんこくんの分身のような気すらします。
だってえんこくんは、はやおの家だってちゃんと覚えているんですよ!
息子は単純に、空を飛んだり水上を走ったり、ハンドル操作しなくても
勝手に走っていくえんこくんに喜んでいましたが。
たくさんの疑問が残る1冊でした。