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どんなにきみがすきだかあててごらん

どんなにきみがすきだかあててごらん(評論社)

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よるのかえりみち」 夏の雨さんの声

よるのかえりみち 作:みやこし あきこ
出版社:偕成社 偕成社の特集ページがあります!
税込価格:\1,430
発行日:2015年04月14日
ISBN:9784033324609
評価スコア 4.48
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みんなの声 総数 22
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     季節の移ろいは寒暖の変化もあるが、夜の長さでも季節が変わったことがわかる。
     夏から秋へ、気がついたら夜はうんと早くその帳を下し、どことなく暗さも増したような気がする。
     秋の夜長とはうまくいったものだ。
     長くなった夜に少し得をした気分になる。
     みやこしあきこさんのこの絵本を読んだあとも、その少し得をした気分を味わった。

     お母さんウサギに抱っこされて家に帰る、子ウサギ。
     レストランも本屋も店じまいを始める時間。都会では夜中になっても煌々と灯りがついているが、本来夜は誰もがその日の活動をやめて、明日にそなえるもの、だったはず。
     「よるって とても しずか」、そんなことさえ忘れている。
     静かだから、家の灯りから人の話声がぼそぼそと聞こえてくる。
     誰かが電話で話している。
     どんな話をしているのだろう。

     おいしそうな匂いもする。
     一日の営みの終わりにおいしい料理をこしらえる。作ってくれる人がいて、それをおいしいと食べる人がいる。
     くつろいでいる人も、パーティで騒いでいる人も、みんな夜を愛おしみ、楽しんでいる。
     これから出かける人が、さよならの抱擁をしている。
     みやこしさんの絵のタッチの、なんという優しさだろう。
     例えるなら、静かな夜にふっと浮かび上がる蝋燭の明かりのような。

     やがて、夜はふけていく。
     お風呂にはいってくつろぐ人、昨日の続きの本を読みながらいつの間にか眠ってしまう人、こつこつと静かな足音が去っていく。
     「いつもの よる/とくべつな よる」、夜にも色々あるけれど、ベッドの毛布にようにそれはいつもどこか温かい。
     絵本にいれられて言葉はとても少ないけれど、それがまるで夜の静かさをこわさないよう、作者の優しさのようでもある。

     こんな素敵な夜には子ウサギはどんな夢を見るのだろうか。
     寝床の子どもに読み聞かせながら、いつの間にか一緒に眠っている。枕もとには、この絵本があって、もしかしたら、こんな風につぶやいているかもしれない。
     「おやすみなさい」。

    投稿日:2015/10/25

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