とりあえず、このお話は、「うらしまたろう」がベースになっているので…
うらしまたろうを知っているかどうか、息子に確認してから読み聞かせました。
(こんなメジャーな昔話ぐらい、家でも読み聞かせなくちゃな、と母はちと反省)
作者の桂 文我さんは、「親子寄席」という催しを開いたり、
NHKのテレビ絵本にも、そのお作が登場したりで、
親子で落語に親しむ機会を与えてくださる方です。
この絵本も、落語風。
話の流れも、大変スムーズで、あれよあれよとページがすすみます。
また、曲者キャラな、主人公のたろきち。国松さんが実に面白く、且つ可愛らしく表現してくれています。
(財布を落として泣くシーンでは、お、フンガくん!と思ってしまいました)
海に落として、なくした財布を、大きなガラスのフラスコの中に入ってさがす、たろきち。
たこの子供に、「ビンの中の人間が欲しい」といわれるシーンや、
せっかく財布を見つけても、ビンの中だから、手が届かなくて、地団駄を踏むところもおかしくてたまりません。
たろきちは、「浦島太郎」に間違えられて、竜宮城にもぐりこんで、乙姫様の接待?を受けるのですが、そこへ本物が現れて、さあ大変!
さあ、たろきちはいったいどうするのでしょうか?
この主人公のたろきちのお調子者ぶりが、実に愉快です。
偽者だとばれて、見つかったというのに、
逃げる最中、さんごの山に目がくらみ、折り取ってしまうのですが、
その時のセリフが「三本とれた。一本五両で売ってもさんごの十五両。わっはっはっはーっ」。
「…あんたはん、そないにノンキなことしてるひま、あんのん?」
とつっこみそうになりました。
でも…このお話は、最後の最後まで、たろきちに都合のいいように出来ています。
盗みを働いて、そのまま無罪放免、というのは、頭が固くなった大人としては、ちょっとしっくりきませんね…。
というか。
サンゴは折っちゃいかんよ、うんうん。
ああ見えて、生き物なんやから。