最近、「ひみつ」という言葉にたいそうひかれているうちの息子。
「ひーみーつ」「ひーみーつ」と、ことある毎に言ってみたいらしい。
(マレーク・ベロニカさん作の、ブルンミのたんじょうびがその発端なのですが)
その他に、彼にとって、重要なキーワードが「基地」
ダンボールの中に入っては基地。
ブロックで何かしらこしらえてると思えば、基地。
もちろん「おれの仲間と基地」ごっこを園でもやっているらしい。
この二つが組み合わさった、この絵本。
ひかれないはずがありません。
登場人物が、かつよしくんと、あきよしくん、という、それぞれ自分のお兄ちゃん、弟というかんじの年齢の兄弟なのが、またクリーンヒットらしい。
自分もその仲間に入っているつもりなのだろうなあ。
夏休み、かつよしくんと、あきよしくんの兄弟は、おばあちゃんのおうちにやってきます。
二人には、秘密でたてた、計画がありました。
それは、「秘密基地」をつくること。
タイヤや石、古いシーツで、二人は秘密基地作りにとりかかります。
お兄ちゃんのかつよしくんが、シーツを木の枝に結び、「どうだ、かっこいい基地だろう」と胸をはると、
「うん、すっごくかっこいい、お洗濯ものみたい」という弟のあきよしくん。
思わず、ふきだしてしまいました。
作者の由記子さんの絵が、実に柔らかであたたかくて。もうこの兄弟、かわいくてたまりません。
ダンボールで見張り台を作り、綱でブランコを作って、秘密基地の完成!
基地で何をするかといえば、もちろん、虫取りです!
蜜を塗って、カブトがくるのを待ちます。
ああ、「正しい夏休みの過ごし方」ですねえ!
もう夏休みなんて、素敵なプレゼントをもらうことが出来なくなった大人の私としては、
(誰ですか、主婦なんて、サンデー毎日だなんて言ってるのは)
とてもまぶしいです。
あの夏の輝き。スイカと蚊取り線香のにおいのする日々。
思い起こしても、胸がドキドキワクワクします。
夏が過ぎて、冬になって、もう一度おばあちゃんの家に行くことになった二人。
秘密基地を見に行くと、そこはボロボロになってしまっていました。
でもね。そこには、大きな秘密が隠されていたのです!
ひみつ、ひみつ!
最後まで、「ひみつ」で彩られた絵本です。
「ひみつ」の好きなお子さんに、喜ばれるのではないでしょうか。