気になっていた本書を、復刊で読むことができました。
表紙をめくると、カバーの袖に「だれよりも勇敢なネメチェク」とあります。
しかし物語序盤の彼は、仲間の中でも言いなりで、リーダーに泣きつく弱虫のくせに虚栄心だけはあるというカッコ悪さで、頭の中は「どこが勇敢なんだ???」と疑問符と嫌悪感でいっぱいでした。
この脇役としか思えなかったネメチェクが、物語が進むにつれて主人公と言っても過言ではない重要人物となるとは・・・! やられました。
表面で判断していた自分の浅はかさが、他の少年たちとぴったり重なり、完全に物語に入り込んでしまいました。
今となっては、ネメチェクのことを思い返すだけで涙ぐんでしまいます。
仲間の中でさえ「誇り」をずたずたに傷つけられてなお、大切なものを大切と思う心で立つネメチェク。
かっこいい(涙)(涙)(涙)
この本は、100年以上前のハンガリーで出版されたものです。
現代の日本とは事情が異なりすぎるので、正直「誇り」とか「自分の土地を守る」という情熱にはとっつきにくかったのですが、逆に、本書に触れて初めて「祖国への強い思い」というものが少し分かったような気がします。
「仲間」や「友情」とはまた違う動機が新鮮でした。
我が子たちにはまだ少し早い内容だと思うので、あと2、3年温めておこうと思います。