ルラルさんはお料理好き。土曜日だけは、台所にこもり、すばらしいご馳走を作ります。
そこでね、みんなを招待して、ご馳走することにしたのです。
そして、山ほど材料を買い込み、さて...と思ったら、待ちきれなかったみんながぞろぞろやってきてしまいます。
そしてね、こともあろうか、めんどくさいからって、料理する前の材料を食べ始めるのです。
猫は魚を、サルはえびを...みんな好き勝手に食べ始める。
計画が台無しになり、だんだんと腹が立ってくるルラルさん。
でもね、そこからがおもしろいんです。
「みんな料理のことなんて何もわかってないんだ。それならもういい!誰にも何も食べさせないぞ。」
と思ったルラルさん、みんなが食べているものをひったくって、自分もじゃんじゃん食べ始めるのです。
マヨネーズをつけ、こしょうを振り、負けじと食べる。そうこうしているうちに、なんだか楽しい気分になってくるのです。
最後はね、おなかいっぱいになって、満足そうに部屋に転がる仲間たちとルラルさん。至福のときという感じでしょうか。
ルラルさんシリーズは、とにかく息子が気にいっていて、何度も何度も読んで、と言ってくる本です。
一見、普通のおじさんのルラルさんが、最後には動物たちと、わいわいがやがや楽しそうにやっている、その底抜けに明るい感じが楽しいんだろうなぁと思います。