まず女王様が王子さまに「私があなたの年の頃には2回も結婚していたのに!」というのが、とてもいい。
この本を読む子供たちの中には、親が離婚・再婚している家庭の子もいるだろう。そういう子どもも否定しないことから始まっている。
また、明らかに絵本の女王様・王子さまは西洋の国の人だが、女王様は国や人種の隔てなく、各国の王女様をお見合いに招待するし、王子さまがアフリカ系のラシマシプティン姫を「エレガント」と表現するのも配慮が行き届いている。
最後には、王子さまと王子さまの結婚式を、女王様もお姫様たちも、みんなが祝福するのが、本当に素敵だと思う。
「人権」や「LGBT」「セクシャルマイノリティ」という言葉を使わなくても、この絵本を読んだ子どもたちは純粋に「面白かった!」と言っていた。
感性の柔らかい時期に、このような本に触れておくのは、とても重要だと思う。