豊臣秀吉がいた時代、長崎の港町で少年が祖父の遺志を継いで海の男として生きていく物語。当時の船乗りや船大工、港町、外国人との交流などが生き生きと描かれる。
2015年刊行。豊臣秀吉の朝鮮出兵直前と思われる時期に、長崎で様々な国の人と交流し、港町として活気づいていた様子が映画の一コマのようによくわかる。
当時の人のおかれた状況や、社会情勢、一人一人の生き様などを、人物の一人一人に見ることができる。背景に描かれている大勢の人にもいろんな人生があり、これからどうするのだろうという興味を抱かせる。
学校の歴史の授業では、単語だけを覚えるに過ぎなかったが、その単語の一つ一つが意味のある物語として、繋がっていくのを感じられる。
危険な仕事だが、それでも出かけていく人々の熱意とロマンを感じる。
巻末に十六世紀の航海図がある。昔の地名を知ると、ご先祖様のたどってきた道のりや思いが伝わってくる気がする。
豪華で壮大な気持ちになる絵本。
登場人物の志の高さにも感動。