最初に読み始めた時は、食育の本かと思っていました。
私たちは生きるために他のものの命をいただいている・・・それをテーマにした絵本は他にも見かけます。でも、この本を読んでいいなと思ったのは、私たち人間が食べる動物も、自分が生きるために他のものの命を食べていたことに触れられている点です。命をいただくことだけに焦点をあてると、子供たちは罪悪感ばかりを感じたり、繊細な子は動物性のものが食べられなくなったりしてしまうかもしれません。でもこの本では、命を「奪う」ことだけに焦点を当てていないので、冷静に読むことができます。
そして後半は食べ物からは離れて、生きていくこと自体が取り上げられています。はっきりとは書かれていませんが、いじめ・自殺などの問題も意識されているようです。また、身近な人の死に直面することなど、幅広く書かれています。
食べること、生きること、死ぬことは全部繋がっていることがわかります。
あまり小さな子が読む話題だとは思いません。小学校高学年くらいからにお勧めです。