町の靴屋さんが作った素晴らしい靴。あまりに素晴らしいのでみんなが褒めそやし、靴は自惚れ屋になってしまいました。そして、自分は「王さまの靴」にふさわしいと、ポッカ ポッカ ポッカ ポッカと、お城に向かいます。ところが途中でどしゃ降りの雨が降って、靴はびしょぬれの泥まみれ。そして、お城の中では、無茶苦茶なことをして追いかけられて、とうとう靴屋に逃げ帰ったのですが・・・。
擬人化された靴はまるで、元気ないたずらっこみたい。焼きたてのアップルパイ踏んづけたり、白い毛皮のコートを泥だらけにしたりする場面ではハラハラしながら読みました。読んでもらっている子どもたちは「だめだよね〜このくつ」と思いながらも、一方で、半分は靴に感情移入してしまうのでは?ハッピーエンドになって良かった!子どもの心をひきつけるお話だと思います。
コミカルなお話と、ルイス・スロボドキンの軽やかで動きがある絵がとてもマッチしています。
くたびれた靴は、皮が柔らかくなって確かに履き心地は良いですが、でもせっかくだから、王さま、靴屋さんに直してもらったらいいのにナ・・・と思った私です。どこまできれいにできるのか、靴屋さんの腕前を見てみたかった!